我が家は24坪廊下の無い平屋。
コンパクトな設計で生活動線は抜群に良いのですが、一つ大きな問題がありました。
それはトイレの音漏れです。
以前の記事「【実測データ公開】廊下なし平屋のトイレ音漏れ問題|引き戸vs開き戸の防音効果を徹底検証」でもご紹介しましたが、トイレの音がリビングまで丸聞こえの状態でした。
さすがに気になるレベルだったので、DIYで音漏れ対策を実施。結果、音漏れの削減に成功しました。
今回は実際に効果があったトイレ音漏れ対策の方法を、写真付きで詳しく解説します。
トイレの音漏れの原因は「引き戸の隙間」
我が家はトイレの扉に引き戸を選びました。音漏れも考慮して選びましたが想定以上でした。
トイレの音漏れの最大の原因は、引き戸の構造にあります。
一般的に引き戸は開き戸と比較して:
- 戸枠との隙間が大きい
- 密閉性が低い
- パッキン(ゴム製の隙間埋め材)が少ない
実際に同程度の音量で比較実験を行ったところ、引き戸のトイレと開き戸の脱衣所では、リビングへの音の伝わり方に明らかな差がありました。
我が家の引き戸の隙間を実測
測定結果:
- 右側の隙間:9mm × 高さ2.2m = 19.8㎠の開口部
- 下部の隙間:幅広の隙間(24時間換気用)
- 左側(戸当たり側):パッキンなしの隙間
この隙間の総面積が音漏れの主要因でした。
【実践】隙間テープを使った音漏れ対策の手順
最初に言っておきますが、隙間を塞ぐということは音問題はクリアできても、24時間換気の計画換気には多少影響があるとは思います。そのあたりも一応念頭には入れています。
対策手順1:ドア右側の隙間を塞ぐ
引き戸にはこれくらいの隙間が上から下まで空いていました。
隙間の大きさはなんと9mm。

9mm弱の隙間が2.2m空いていることになります。
それだけでもう19.8㎠の隙間。。。

施工のポイント:
- 開閉に支障がないよう厚さを調整
- ドアの後ろ側(内側)に隙間テープを貼付
- ドア本体への負荷を避けるため、戸枠側ではなくドア側に施工

対策手順2:ドア下部の隙間を塞ぐ
次はドアの下部。右側が引き戸の隙間です。
開き戸の方は24時間換気のためのアンダーカットです。
トイレの引き戸も24時間換気のために開けておくか悩みましたが、ここを塞いでもなおドア上部に隙間がありそうだったので、思い切って塞ぐことにしました。

施工のポイント:
- 幅広の隙間テープを使用
- 床との摩擦でドアが重くならないよう厚さを調整
- 数回の開閉テストで最適な位置を決定

対策手順3:ドア左側(戸当たり側)を密閉
開き戸にはパッキンが標準装備されていますが、引き戸には何もありません。この差が密閉性に大きく影響していました。
これが引き戸の戸当たり側。

こっちは開き戸の戸当たり側。

施工のポイント:
- 引き戸本体に隙間テープを貼付
- 戸当たりとの接触具合を確認しながら調整

対策効果の音漏れ検証結果
さて、対策の結果、音の聞こえ方がかなり緩和しました。
測定条件
- 測定機器: スマホの騒音計アプリ
- 音源: 水差しでトイレ水面に注水(排尿音を再現)
- 音量: 70デシベル
- 測定位置: リビング(距離4〜5メートル)
測定結果
まずは対策前の数値

これが対策後の数値。

測定項目 | 対策前 | 対策後 | 改善値 |
---|---|---|---|
リビングでの音量 | 39.6dB | 34.3dB | -5dB |
約5デシベル程下がりました。
たった5デシベル?と思われるかもしれませんが、5デシベルの違いは体感でも分かる効果があります。
明らかに以前より音漏れが気にならなくなりました。
開き戸との比較データ
こちらが開き戸のデータ。

測定項目(平均値) | 引き戸 | 開き戸 |
---|---|---|
リビングでの音量 | 34.3dB | 34.3dB |
対策後の引き戸の音漏れ量は、開き戸とほぼ同等のレベルまで改善されました。
これは引き戸を採用したい間取りでも、適切な対策により音問題を解決できることを示しています。
対策後の生活の変化と注意点
改善された点
- リビングでの生活中、トイレ音があまり気にならなくなった
- 来客時の心理的負担が軽減
寝静まるまでの間であれば、トイレの音はほとんど気にならなくなりました。
残る課題
- トイレットペーパーホルダーの音は周波数の関係で完全には防げない
- 夜間の静寂時は依然として音が聞こえる
- 24時間換気への影響を考慮し、使用後は少し扉を開けて対応
対策後に一番気になる音漏れはペーパーホルダーの音です。
ペーパーホルダーは音が出にくいものを設置することを強くオススメします!
まとめ:DIY音漏れ対策で快適な平屋ライフを実現
今回の隙間テープによる音漏れ対策により、24坪廊下なし平屋でも快適に過ごせるようになりました。
対策のまとめ:
- 材料費:約2,000円
- 作業時間:約15分
- 効果:5デシベルの音量削減
- 満足度:★★★★☆
今回のことで分かったのは、廊下の無い平屋を作る場合は防音対策は十分に費用をかけるべきということです。
これから廊下なし平屋を検討される方は、ぜひ音問題も含めて総合的にプランニングしてください。適切な対策により、コンパクトで快適な住まいが実現できます。