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【実体験】エアコン1台で家全体の冷房は小さい平屋でもキツイ【3種換気】

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高気密高断熱住宅で「エアコン1台で家全体を冷房できる」という話をよく耳にしますが、実際のところどうなのでしょうか。

築1年目の小さな平屋(延床面積24坪)で、初めての夏を迎えた筆者が実際に体験したエアコン1台冷房の現実をお伝えします。

この記事では以下の内容について詳しく解説します:

  • 快適に過ごすための具体的な工夫
  • エアコン1台運用時の各部屋の実際の温度データ
  • 思うように冷えない3つの原因と対策
目次

エアコン1台冷房の設計思想と現実のギャップ

当初の設計コンセプト

エアコン稼働時に家の中がどういう状態になるのか。

この説明をするためにまずは我が家の間取りと空調の意図を説明しておきます。

配置場所:リビング横寝室の長辺方向に設置(エアコンを目立たなくするため)
気流設計:ロング気流で家全体に冷気を循環
換気計画:24時間換気(第3種)の排気を利用した空気循環
断熱・遮熱:大きな庇による完全日射遮蔽+樹脂サッシ採用

ロング気流と24時間換気の排気(トイレ、クローゼット、脱衣所)で、冷えた空気が端まで行きわたることを狙いました。

真夏の温度実測データ公開

測定条件

外気温:35℃

使用エアコン:パナソニック エオリア CS-EX404D2-W(200V 14畳用)

測定日時:7月下旬 午後3時頃

冷房設定:25℃、風量最大

各部屋の実測温度

  • リビング:27.1℃
  • リビング横寝室(エアコン設置部屋):26.1℃
  • 廊下:27.7℃
  • 洗面所:27.9℃
  • トイレ:28.5℃
  • 子供部屋(ドア開放):29.5℃

過ごしやすい温度は25~26℃台。正直リビングでもわずかに暑いと感じます。

エアコンから離れるにつれて暑くなるので、高気密高断熱でも思ったより室温の統一が出来ていないことが分かります。

日中だからというのもあるのですが、実はこの温度ムラ夜までずっと続きます。

エアコンが効かない3つの原因

1. 第3種換気の熱負荷問題

最大の問題は24時間換気システム(ルフロ400)の給気温度でした。

  • 給気方式:通気層から給気を取得
  • 外壁仕様:黒色窯業系サイディング
  • 実測結果:外気温35℃時に給気温度46℃を記録

それも我が家の外壁は黒の窯業系サイディング。熱されて外気温より暑くなり湿った空気が、いくつもある給気口から室内に入り続けているのです。

この高温給気により、エアコンで冷やしながら同時に暖房している状態となっていました。

給気口を通気層からではなく外気から直接取り込むようにリフォームするしかないかな。。。

3.エアコン配置によるショートサーキット

我が家はリビング横の寝室にセオリー通り長手方向になるようエアコンを設置していますが、ここにも冷え切らない落とし穴があるのかもしれません。

わが家のエアコンの設置位置

リビングとつながっているとはいえエアコンが置いてある部屋は他の部屋に比べて冷えています。

それによってエアコンが、「空間は十分に冷えている」と勘違いして、目標としている温度まで冷やし切れていないショートサーキットが発生しやすい環境ではあると思います。

ただエアコンのあるリビング横寝室がそもそもエアコンの設定温度まで冷えていない時もあるので、ショートサーキットではなくエアコンの容量不足の可能性が否めないです。

3.エアコン容量不足の可能性

エアコンの容量不足を確認するために実験してみました。

1日限定で24時間換気の給気口を閉じて、エアコンの温度設定は変えずに実験してみました。(冷房設定:25℃、風量最大)

結果は、、、冷えない!!!泣

24時間換気の暑い給気のせいだと確信していましたが、どうやらエアコンの容量不足が濃厚です。

我が家のエアコンは200V 14畳用(実質50畳相当)なんですが。。。

容量選定の落とし穴

  • 暖房時の「畳数表示×5倍」は冷房には適用困難
  • 冷房能力は暖房能力より厳しい条件が必要
  • 高気密高断熱でも家全体冷房には十分な余裕が必要

高気密高断熱住宅ならこれくらいでもイケると色々な媒体で見てきましたが、家まるごと1軒冷やすとなると3種換気の家だと小さな平屋でもギリギリな感じです。

エアコン1台で過ごすための3つの工夫

1.サーキュレーター活用術

設置方法:

  • エアコン直下に固定式サーキュレーターを配置
  • 回転機能なしで風下へ送風
  • 空気循環により温度差を3-4℃から1-2℃に改善

空間の空気を混ぜるためにはサーキュレーターは回転しない方が良いみたいです。

2.ドア開放による空気循環促進

子供部屋対策: 

  • 常時ドア開放で冷気の取り込み
  • サーキュレーター2台で強制循環

注意点:子供の成長に伴いプライバシー確保のため、将来的には個別エアコン設置が必要

現状では子供部屋は開放していてようやく過ごせる温度です。

そのうえで子供部屋に向かって涼しい空気が入るようにサーキュレーターを稼働しています。

夏の子供部屋、在室時に閉め切るとどうなる?

24時間換気の給気口からくる熱と人間の体温ですぐに暑くなってしまいます

こどもが小さいうちはプライバシー問題もさほど重大ではないですが、大きくなっていくことを考えると子供部屋にも6畳用エアコンを設置することになるでしょう。

小屋裏エアコンや全館空調で各空間に涼しい空気を送れるシステムになっていない場合、各部屋にエアコンを設置する必要があるかもしれないことを覚悟しておきましょう。

3.トイレの換気改善

トイレも閉ざされた空間なので暑くなりやすいです。

特に人が入った後は体感で分かるくらいすぐに温度が上昇します。凄まじい断熱性能!笑

なのでトイレでは

  • 使用後は一時的にドア開放
  • 24時間換気効率向上のため適度な開放を実施

我が家のトイレは防音のために隙間を塞いだこともあって、おそらく計画換気に支障が出るので、温度調節含め24時間換気のためにも少し開けて過ごしています。

第1種換気との比較検証 一種換気ならエアコン1台でいけるか

こんなに冷房の効きで苦しむのは3種換気だから?
ということで、住宅の断熱や気密のグレードが近い1種換気の知人に夏のエアコン事情について聞いてみました。

同条件住宅での比較(知人宅データ):

  • 延床面積:25坪(我が家とほぼ同等)
  • 換気方式:第1種換気(熱交換型)
  • エアコン:8畳用1台のみ
  • 結果:問題なく全館冷房が可能、電気代も安い

やっぱり熱交換する一種換気だと温熱環境に差が出てきますね。

我が家が3種換気にしたのはイニシャルコストとランニングコストで優れると思ったからで、この電気代の差が実際はどの程度1種換気と3種換気とで長期的なランニングコストの差を生むのか、いつかしっかり調査してみたいですね。

ちなみにその知人のおうち、エアコンが夏に壊れたらしく3日間エアコン無し生活が続いたそう。

その間、毎日すこしずつ室温が上がって最終的には35℃になったらしい。

我が家だったら1日で40℃越しそう。。。

エアコンはリスクヘッジのためにも2台以上で運用した方が良さそうですね。

まとめ:高気密高断熱住宅のエアコン計画

ということで、高気密高断熱の30坪を切るような小さい平屋であっても、3種換気ならエアコン1台は諦めた方が良い

重要なポイント

  1. 第3種換気の場合:エアコン1台での全館冷房は困難
  2. 容量選定:冷房は暖房より厳しい条件で計算が必要
  3. リスク分散:故障時のことを考慮し複数台設置を推奨

よくエアコンは畳数表示の5倍はいけると聞きますが、それはあくまでも暖房のことで冷房は結構シビアなんじゃないのかなと。

確かにせやまさんも夏は小屋裏エアコン+リビングエアコンの併用でって言ってますし、松尾さんも冷房は畳数の2倍くらいって言ってましたし、24坪とは言え畳数に直すとほぼ50畳。いかに200V14畳用エアコンと言えど、ちょっと厳しかったのかもしれません。

今後の改善計画

  • 短期対策:より大容量エアコンへの買い替え検討
  • 長期対策:給気システムの見直し(通気層→外気直接取込)
  • 将来対応:各個室への個別エアコン設置

またエアコンを買い換えた際には、200v14畳用と比較してどうかも記事にしようと思います。

読者の皆様へ

同様の住宅でエアコン1台運用を成功されている方、または第3種換気でも快適に過ごせている事例があれば、ぜひコメントで情報共有していただけると幸いです。

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